車検の真実を暴露!整備士が隠す費用の裏側と安く通す方法
こんにちは。PROCESS、運営者の「ミスターX」です。
突然ですが、皆さんは車検の時期が来るたびに「なんでこんなに高いんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
インターネットで車検の費用や安い業者について調べると、ディーラーは安心だけど高いとか、ユーザー車検は安いけど危険だといった様々な情報が出てきます。
中には闇車検と呼ばれる怪しい手口や、整備士によるノルマのための過剰整備といった噂を耳にして、不安を感じている方もいるかもしれません。
実は車検には、表向きには語られない業界特有の仕組みや、知っておかないと損をするカラクリが存在します。この不透明な制度の裏側を知ることで、無駄な出費を抑えながら安全に車に乗り続けることができるようになります。
- 車検費用の不透明な内訳と構造的な仕組み
- ディーラー車検が高額になる裏事情とノルマの実態
- 格安車検が低価格を実現できる具体的なカラクリ
- 騙されずに最適な車検業者を選ぶための判断基準
車検費用の真実と不透明な料金構造
車検の見積もりを見たとき、その金額の高さに驚愕した経験は誰にでもあるはずです。しかし、その総額だけを見て「高い」と嘆くのは早計です。
まずは、私たちが支払っているお金が「誰に」「何のために」渡っているのか、その内訳を分解して理解することから始めましょう。
法定費用や車検基本料の内訳
車検費用は大きく分けて「法定費用」と「車検基本料(整備費用含む)」の2つで構成されています。ここが最初の重要なポイントなのですが、法定費用はどこの業者で受けても1円たりとも変わりません。
法定費用の内訳は以下の通りです。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車重量税 | 車両の重さに応じて課税される税金 | 13年、18年経過で重課税(高くなる) |
| 自賠責保険料 | 強制加入の対人賠償保険 | 24ヶ月または25ヶ月分を支払う |
| 印紙代 | 検査手続きの手数料 | 指定工場か認証工場かで数百円異なる |
特に自動車重量税はクセモノで、新車登録から13年を超えると大幅に税額が上がります。これは国が「古い車を乗り続けるより、新しいエコカーに買い替えさせたい」という意図を持っているためです。つまり、車検費用の大半は国への税金や保険料であり、業者の儲けではないのです。
一方で、業者が自由に価格を決められるのが「車検基本料」や「整備費用」です。ここが、A社とB社で数万円もの差が生まれる原因となります。私たちは、この変動する部分をいかにコントロールするかが節約のカギとなります。
ディーラー車検が高い理由とノルマ
「安心を買うならディーラー」とよく言われますが、なぜディーラー車検はこれほどまでに高額なのでしょうか。もちろん、メーカー専門の知識や設備があることは間違いありません。しかし、それ以上に構造的な高コスト体質が影響しています。
ディーラーが高額になる主な理由
- 時間工賃(レバレート)が高い: 整備士1時間あたりの作業単価が、町工場に比べて高く設定されています。
- 予備整備の基準が厳しい: 「次の車検まで2年間何もしなくていいように」という前提で、まだ使える部品も早めに交換します。
- 社内ノルマの存在: これが最も厄介な真実かもしれません。
実は、多くのディーラー整備士やフロントマンには、月ごとの売上目標や部品販売のノルマが課せられています。特に決算期や月末になると、このノルマを達成するために、「本来は必須ではない整備」が見積もりに紛れ込むことがあります。
例えば、まだ綺麗なエアコンフィルターの交換や、エンジン内部の洗浄剤、下回りの防錆塗装などが「車検おすすめセット」として提案されることがあります。これらは車の調子を良くするものではありますが、車検に通るか通らないかという基準で言えば、不要なケースがほとんどです。私たちユーザーは、提示された見積もりが「法的に必要な整備」なのか、「ディーラーの売上のための提案」なのかを見極める必要があります。
格安車検が安い仕組みとカラクリ
一方で、テレビCMなどで見かける「車検のコバック」などの格安車検専門店は、なぜあんなに安いのでしょうか。「手抜きをしているのではないか?」と疑いたくもなりますが、彼らの安さには合理的な理由があります。
最大の理由は「徹底的な効率化」と「分業」です。多くの格安車検店は「指定工場」の認可を受けており、自社の工場内で車検を完結させることができます。陸運局に車を持ち込む移動時間をカットし、マニュアル化された作業で1台あたりの時間を極限まで短縮することで、薄利多売のビジネスモデルを成立させているのです。
安さの裏にある注意点
格安車検の表示価格は、あくまで「最低限の検査代行料」であることが多いです。入庫後の点検で「ここを直さないと車検に通らない」と指摘され、追加整備費用がかさむことがあります。これを「入り口は安く、出口で稼ぐ」戦略と呼ぶこともあります。
また、彼らは「検査に通すこと」に特化しているため、予防整備は最低限に留める傾向があります。「今は大丈夫だけど、半年後は分からない」という部品でも、車検の基準さえ満たしていれば交換を強く勧めないこともあります。これは安さというメリットである反面、その後のメンテナンスはユーザーの自己責任になるということを理解しておく必要があります。
ユーザー車検と代行のリスク
究極のコストカット手段として知られるのが「ユーザー車検」です。業者に頼まず、自分で陸運局に車を持ち込んで検査を受ける方法です。これなら、支払うのは法定費用+数千円の手数料のみ。最も安上がりなのは間違いありません。
しかし、私は車に詳しくない一般の方にユーザー車検を安易におすすめしません。なぜなら、「車検に合格すること」と「車が安全であること」は全く別の話だからです。
極端な話をすれば、ブレーキパッドが残り1ミリしかなくても、検査ラインを通る瞬間にブレーキが効けば車検は合格します。しかし、その翌月にブレーキが効かなくなって事故を起こす可能性は十分にあります。ユーザー車検は、本来行われるべき「24ヶ月点検(整備)」を省略して検査だけを通す行為になりがちです。これを理解せずに安さだけで飛びつくと、結果的に大きなリスクを背負うことになります。
法定24ヶ月点検と整備記録簿の有無
ここで重要なのが「法定24ヶ月点検」の存在です。多くの人が「車検」と一括りにしていますが、法律上は「検査(車検)」と「点検(24ヶ月点検)」は別の義務です。
車検を通す際に、この24ヶ月点検をしっかりと実施し、その内容を記載した「定期点検整備記録簿(メンテナンスノート)」が発行されているかどうかは、将来車を売る時に大きく響きます。
リセールバリューへの影響
中古車査定の際、記録簿が残っている車は「適切に管理されていた車」として評価されます。逆に、記録簿がない、あるいはユーザー車検の記録しかない車は「整備状況が不明なリスクのある車」と見なされ、査定額が下がることがあります。
目先の数万円をケチった結果、売却時にそれ以上の損をする「安物買いの銭失い」にならないよう、記録簿の有無は必ず確認するようにしましょう。
業界の闇や整備に関する車検の真実
ここからは少しディープな、業界の暗部や現場のリアルな実態に踏み込んでいきましょう。表向きには語られない「車検の闇」について、皆さんが知っておくべきことをお話しします。
闇車検やペーパー車検の手口
「闇車検」や「ペーパー車検」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは明白な犯罪行為です。
通常、車検は現車を確認し、保安基準に適合しているかを厳格に検査します。しかし、一部の悪質な業者やブローカーは、実際には車を見もせずに、書類上だけで点検・整備をしたことにして車検証を交付させることがあります。これがペーパー車検です。
また、不正改造車(フルスモークや極端な車高短など)を、検査の時だけ正規の部品に戻したり、あるいは検査員と結託して見て見ぬふりをさせて通す行為も闇車検の一種です。これに関与すると、業者だけでなく依頼したユーザー側も罪に問われる可能性があります。
「どんな改造車でも通します」と謳う業者は、ほぼ間違いなく違法な手段を使っています。もし摘発されれば、車検の取り消しはもちろん、警察の捜査対象になるリスクさえあります。甘い言葉には絶対に乗らないでください。
車検に通らない改造と不合格基準
意図的な改造でなくても、知らず知らずのうちに車検不適合になっているケースがあります。最近の車検基準は厳格化されており、以前はOKだったものがNGになることもあります。
- ヘッドライトの黄ばみ・光量不足: 経年劣化でレンズが曇ると、光量不足で不合格になります。
- タイヤのはみ出し: 以前より緩和されましたが、依然として厳しい基準があります。
- 運転席・助手席のフィルム: 透明に見えても、透過率70%を下回るとアウトです。
- 警告灯の点灯: エアバッグやエンジン警告灯などが点灯したままでは、検査を受けられません。
特に注意したいのが、ネットで購入した安価なLEDバルブへの交換です。「車検対応」と書かれていても、実際には配光(光の散らばり方)が悪く、検査に通らない商品が山ほどあります。ご自身でパーツを交換する際は、純正部品を保管しておくことを強くおすすめします。
整備士が明かすぼったくりの手口
「ぼったくり」と言うと聞こえが悪いですが、情報の非対称性を利用した「不安商法」は残念ながら存在します。
よくある手口が、ドライブシャフトブーツなどのゴム部品にわずかなヒビがあるだけで「これだと車検に通りませんよ」と交換を迫るケースです。実際には、ゴムが破れてグリスが漏れていなければ、保安基準上はセーフ(合格)である場合がほとんどです。
もちろん、予防整備として交換するのは良いことですが、「車検に通らない」と嘘をついて交換させるのは不誠実です。整備士に「破れていますか?それともヒビだけですか?」と確認し、できれば一緒に現車を見て説明してもらう姿勢を見せることが、カモにされないための最大の防御策です。
クーラント交換など過剰整備の判断
最近の車は性能が向上しており、消耗品の寿命も延びています。その代表例がエンジン冷却水(クーラント)です。現在の新車には「スーパーLLC」という長寿命タイプが入っており、新車から7年〜11年は交換不要とされています。
それにもかかわらず、初回の車検(3年目)や2回目(5年目)で「クーラント交換」や「クーラント強化剤(添加剤)」を見積もりに入れてくる業者がいます。これは技術的な必要性よりも、単価アップのためのメニューである可能性が高いです。
過剰整備を見抜く魔法の質問
「この整備は、今回やらないと車検に通りませんか?」
「メーカーの推奨交換時期はいつになっていますか?」
この質問をして、答えに詰まるようなら、それは「今やる必要のない整備」です。勇気を持って「今回は見送ります」と伝えましょう。
車検の真実に基づいた業者の選び方
ここまで車検の真実を見てきましたが、結局のところ、どの業者に頼めば正解なのでしょうか。結論としては、「車の状態とあなたの目的」に合わせて使い分けるのが賢い方法です。
- 新車から3年目(初回車検): 走行距離が少なければ、交換部品はほぼありません。格安車検専門店やユーザー車検で費用を抑えるのが合理的です。
- 5年目〜7年目: タイヤやバッテリーなどの消耗品が出始めます。カー用品店などで安く部品交換し、車検は専門店へ依頼するのがバランスが良いでしょう。
- 10年以上・10万キロ超: あちこちにガタが来る時期です。ここでは安さよりも安心を優先し、信頼できる整備工場やディーラーでしっかり診てもらうことをおすすめします。
そして何より重要なのは、「相見積もり」を取ることです。1社だけの言いなりにならず、複数の見積もりを比較することで、何が本当に必要な整備なのかが見えてきます。車検制度は複雑ですが、正しい知識を持てば、搾取されることなく賢く付き合っていくことができます。皆さんのカーライフが、より安全で経済的なものになることを願っています。

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